救済措置(笑)

 

 

皆守Ver.

 

「甲太郎!」

寮に戻る途中、呼び止める声に振り返る。

「晃?」

「ま、待って、くれ」

息を切らして、そんなに必死になって。

「何してんだ、お前」

不意に可笑しくなった。

ふった相手に何してやがる。

同情か?哀れみか?お友達ゴッコに未練があるのか?

「甲太郎」

―――そんな目で見るな。

「あの、俺」

お前の声だって、今の俺には聞くに堪えない代物なんだ。

一時的な優しさならいらない。

そんなもの、欲しくない。

苦しすぎて、晃の姿を直視できない。

 

―――なんだよ、今更」

 

情けない言葉に泣きたくなった。

怨み言なんて、ダサすぎるじゃないか。

悔しくて、悲しい。

「まだ何か言い足りないことでも、あったのか?」

「あったよ」

真っ直ぐ見詰めてくる。

その眼差しを、やめてくれ。

「へえ、そりゃ一体―――何なんだ?」

聞き返す俺もどうかしている。

はっきり拒絶されたってのに、未練たらたらなのはどっちだ。

 

「甲太郎」

 

晃の声。

 

「俺、やっとわかったんだ」

「何が」

「さっきお前に言われて、すごく動揺して、それでも、やっとわかった」

「何なんだよ、それは」

「俺も、お前が好きだ」

 

 

―――な、に?

 

 

「は?」

思わず目を丸くする。

「お前、今、なんて言った?」

晃の顔は赤い。

申し訳なさそうに眉を寄せて、それでも真っ直ぐ俺を見る。

「今更って思われるかもしれない、俺だって、お前のこと、友達だと思ってた、けど」

けど、何なんだ。

「歩いてく、お前の背中見てたら」

胸の辺りを握り締める。

「ここが苦しくなって」

 

晃。

 

「辛くって」

 

晃。

 

「そしたら、どうしようもなくなって、それで」

「晃」

 

思わず名前を呼んで、そのまま近づいて―――抱きしめた。

 

「もう、いい」

この温もりだけでいい。

「晃」

言葉なんて要らない。

 

「お前だけで、いい」

 

ギュッと腕に力を込めて。

戸惑っていた晃の腕が、やがてゆっくりと、俺の背中に回される。

「晃」

「甲太郎―――

触れ合う温もりはかけがえのないもの。

重なった影の、唇が、やがてゆっくりと―――

 

重なって、いった。

 

(了)

結局こうなっちゃうわけだ、と(笑)

ええもう、皆主サイトですから、我が家は。