■救済措置(笑)
■皆守Ver.
「甲太郎!」
寮に戻る途中、呼び止める声に振り返る。
「晃?」
「ま、待って、くれ」
息を切らして、そんなに必死になって。
「何してんだ、お前」
不意に可笑しくなった。
ふった相手に何してやがる。
同情か?哀れみか?お友達ゴッコに未練があるのか?
「甲太郎」
―――そんな目で見るな。
「あの、俺」
お前の声だって、今の俺には聞くに堪えない代物なんだ。
一時的な優しさならいらない。
そんなもの、欲しくない。
苦しすぎて、晃の姿を直視できない。
「―――なんだよ、今更」
情けない言葉に泣きたくなった。
怨み言なんて、ダサすぎるじゃないか。
悔しくて、悲しい。
「まだ何か言い足りないことでも、あったのか?」
「あったよ」
真っ直ぐ見詰めてくる。
その眼差しを、やめてくれ。
「へえ、そりゃ一体―――何なんだ?」
聞き返す俺もどうかしている。
はっきり拒絶されたってのに、未練たらたらなのはどっちだ。
「甲太郎」
晃の声。
「俺、やっとわかったんだ」
「何が」
「さっきお前に言われて、すごく動揺して、それでも、やっとわかった」
「何なんだよ、それは」
「俺も、お前が好きだ」
―――な、に?
「は?」
思わず目を丸くする。
「お前、今、なんて言った?」
晃の顔は赤い。
申し訳なさそうに眉を寄せて、それでも真っ直ぐ俺を見る。
「今更って思われるかもしれない、俺だって、お前のこと、友達だと思ってた、けど」
けど、何なんだ。
「歩いてく、お前の背中見てたら」
胸の辺りを握り締める。
「ここが苦しくなって」
晃。
「辛くって」
晃。
「そしたら、どうしようもなくなって、それで」
「晃」
思わず名前を呼んで、そのまま近づいて―――抱きしめた。
「もう、いい」
この温もりだけでいい。
「晃」
言葉なんて要らない。
「お前だけで、いい」
ギュッと腕に力を込めて。
戸惑っていた晃の腕が、やがてゆっくりと、俺の背中に回される。
「晃」
「甲太郎―――」
触れ合う温もりはかけがえのないもの。
重なった影の、唇が、やがてゆっくりと―――
重なって、いった。
(了)
結局こうなっちゃうわけだ、と(笑)
ええもう、皆主サイトですから、我が家は。