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12th-Discovery

 

 目が覚めて、アレってなる。

正面でスウスウ寝息を立てている、甲太郎の姿。

―――確かあたし、墓地で動けなくなっちゃって、ちょっと休んでたはず、だよねえ?

(何で?)

見回してみると、あたしの部屋のベッドだ。

着ていたものは殆ど脱がされていて、下半身を覆うボクサーパンツ一丁の姿。

(寒い)

くしゃみをしたら、伸びてきた腕にグイッて引き寄せられた。

「こうたろ?」

窺った表情の、瞼がうっすら開く。

「よォ」

「何であんたがここにいるの?」

「ん、おはよう」

「おはようじゃなくて」

ううん、とか呟きつつ、鎖骨の辺りに頭を摺り寄せてくる。

何だこいつ、いったい何が、どうなって、こんな状況になってるわけ?

「ちょっと、甲太郎」

―――いかん、気持ちいいぞ。

じわじわ、ドキドキしてきたみたい、そうじゃなくて、説明して欲しいんだってば!

「甲太郎ッ」

「るせェなあ、朝くらいゆっくりさせろよ」

「あんたはいつもゆっくりでしょ、それより、あたしどうして」

「何で俺に連絡しなかった」

「は?」

ウェストを捕まえている、腕の力が急に強くなる。

「勝手な真似しやがって」

「何?」

「怪我でもしたら、どうするつもりだったんだ」

はああ?

わけわかんないぞ、何言ってるんだろう、こいつ。

「ちょっと、甲太郎?」

呼びかけたら、急に顔を上げて、甲太郎は真っ直ぐあたしを見上げてきた。

「あきら」

寝起きの甲太郎は、大体いつもそうなんだけど、今朝は特に機嫌が悪いみたい。

「昨日、墓地で眠っちまったお前を、双樹と夷澤が運んできたそうだ」

「えッ」

「途中で俺が出くわして、夷澤からお前を引き取って、ここまで運んだ」

「そう」

「ついでだったから、俺も一緒に寝た」

「はあ」

「そういう訳だ、説明終わり、おやすみ」

ってベッドに潜り込もうとするし!

「こらこらッ、もう朝でしょ」

閉じられたカーテンの隙間から、真っ白い光がキラキラ零れ落ちている。

「寒い」

しがみついて今度は胸元に顔をうずめてくる、寝ぼすけは、どうやら二度寝するつもりでいる。

「コラ、学校!」

「休めよ」

「どうして」

「昼からでもいいだろ、大体、気絶するまで頑張るな、アホ」

「なんだとッ」

勢いに任せて、噛み付こうかと思ったんだけど―――

(でもさすがに、疲れてるかも、だなぁ)

一昨日からの連戦で、知らないうちに疲労が溜まっちゃっているかも。

そもそも、幾らバディが一緒だからって、気絶しちゃまずいだろうし。

(大体あたし、昨日は毒まで盛られたんだよね、さすがに、気力で持ちこたえるもの限度があるか)

ため息をつきながら、甲太郎の髪の毛をクシャッと撫でた。

「そだね」

まあ、昼からでも、いいか。

授業に出席するのはあくまで余計な波風を立てないためだけであって、こだわるほどの事でもないし。

引っ付き虫のせいでポカポカしたベッドの中は、瞼を閉じただけで段々眠気が込み上げてくる。

二人分の体温で満たされた、少しシットリとした柔らかな空間。

(あとちょっとだけ)

ゆっくり落ちていく意識の中で、あたしは、腕に抱いた甲太郎の感触を確かめていた。

 

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