R-style 26

 

今回は、闘技場クリアー記念ということで、ちょっとSS形式とは外れた形でお送りいたします。

 

「決戦の翌日に来るような場所でもないよな、ここも」

ロープから離れて、見慣れた大広間を見渡しながら晃が呟く。

背後に降り立つ二つの影。

天香学園高校、生徒会、会長、阿門帝等。

同じく生徒会、副会長、皆守甲太郎。

かたや漆黒のコートに身を包み、かたや気だるげにアロマをふかしながら、トレジャーハンターである玖隆晃の傍までやってくる。

「あの双子のおかげで崩れずに済んだからなあ、ま、あのままぶっ壊れてたら、今頃間違いなく学園も崩壊してたよな」

「生徒もたくさん死んだかもな」

「そうだな、でもそこまで考えてなかったよな、実際」

振り返りざま、晃から鉄拳を食らって、吹っ飛んだ甲太郎が頬をさすりながら苦笑する。

「悪い、もう二度としないから、そろそろ機嫌直せ」

「あったりまえだ!今度あんな馬鹿な真似しようとしたら、殴る程度じゃ済まさないからな!」

怒り顔が今度はくるりと帝等に向けられた。

「お前もだぞ、阿門!」

「フ、肝に銘じておこう」

戻ってきた甲太郎の僅かに赤く腫れた頬に触れて、ちょっと申し訳なさそうな顔をした晃を軽く小突いて、甲太郎の口元でアロマの煙が揺れる。

「よしッ」

晃は脇にさした荒魂剣の柄をグッと握り締めた。

「さて、それじゃあ始めようか!」

「例の、最後の扉だな?」

「ああ」

「あそこは確か、訓練所だと伝え聞いている」

「訓練所?」

「俺も、詳しくは知らぬ、だが施設内でも比較的後期に作られた箇所であるらしいとのことだ」

「阿門は中に入った事は?」

「其処だけは無い、俺にとっても未知の区画だ」

「なるほど」

ますます興味深いと瞳を輝かせるハンターの姿に、甲太郎がフッと笑う。

「じゃあ、行くか?」

ポンポンと肩を叩かれて、振り返った晃はニッと口角を吊り上げた。

「それじゃあ行くぞ!題して開放記念オメデトウ、生徒会VS転校生親睦バトルツアー!」

―――なんだそりゃ、っていうかお前っていちいち副題つけるの好きだよなあ」

「うるっさい、さあ、いくぞ、これまで散々俺の邪魔した分も含めて、お前らキリキリ働けよ!」

僅かに表情を曇らせる生徒会の重鎮二人を引き連れて、無敵のハンターは目的の扉へ向かってズンズンと大股に歩き出したのだった。

 

<装備内容>

ファラオの鞭

八咫烏

荒魂剣

T・スーツ(アンダーウェア)

浮遊輪(アクセサリ)

ジャケットの中身

小型削岩機、黄金銃、黄金弾薬、プラズマ発生器、素粒子爆弾×6、転送機×4、八握剣

 

「ありえない内容じゃないか?特に、素粒子爆弾とか、転送機の数とか」

「その辺りはちょっとズルをしてあります」

「フ、所詮宝捜し屋、こそ泥と性根は何も変わらぬというわけか」

「あ、何だよ何だよ二人とも、初めてなんだし、ビビッたって仕方ないだろ?怖いんだから!」

「お前な、正直すぎるのもどうかと思うぞ?」

「うるさいなあ、じゃあ何か?甲太郎は俺が無茶して、怪我しても構わないってのか?」

「痛かったら舐めてやるよ」

「バカ、何言ってんだ」

―――下らん痴話喧嘩をするな、さっさと行くぞ」

 

遺跡の、最後の扉が開かれた。

 

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