唇を重ね合わせながら、服の上から胸に触れる。

それでは物足りなくて、素肌に直に掌を這わせて、乳房を包み込んだ。

柔らかな感触はもう随分慣れ親しんだものだ。

晃が驚くほど無抵抗なので、興奮ばかりがどんどん募ってくるようだった。

「こ、こうた、ろ」

キスの合間に呼びかけるので、首筋に唇を押し付けて跡を残す。

のしかかってくる体温に、少しだけ苦しそうに顔をしかめていた。

「晃、お前、前より縮んでないか?」

「え」

少しずつ小さくなっていたのか、今更のようにはっと気付いて、すっかり体の下に隠れてしまう晃は驚いた様子で甲太郎を見上げる。

「言われてみれば、そんな気が」

一般女性よりは遥かに高いけれど、それでも以前より大分小さな体。華奢な手足。白い肌。柔らかな声。

不意にドクンと心臓が跳ねる。

激しい情動が、腹の底から突き上げてくる。

「―――晃ッ」

ぎゅうと抱きしめると痛いと声が鳴いた。

構わず口づけて、掌で乳房を強く揉んだ。

もう片方の手を背中伝いに這わせて、敏感な部分を指先で探り当てる。

キスの合間、晃は何か言おうとしているようだった。

それを全部飲み込むように、口腔深く吸い付いて、両手で愛撫を施していく。

そそりだった乳首をつまむと、腰がビクリと跳ね上がった。

内股に触れて、体毛に覆われた局部に指を差し込むと、すでにしっとりと湿っている。

そのままクチュクチュと秘肉を掻き分けて、内側深く侵入すると、背中に回された掌がきゅっとシャツを握り締めた。

「晃」

離れた唇から想いの篭った囁きがこぼれる。

「声、聞かせろ」

耳の後ろにキスをする。

フッと吹きかけられる吐息に、体中が粟立っていた。

晃は潤んだ視界の端で揺れる、ウェイブのかかった髪を眺める。

内側から熱くて、今までに覚えの無い感情が渦巻いているようだった。

こういうのも、やっぱり悪くないかもしれない。

少し前までの自分が思い出されて、つい苦笑が漏れた。

本当に、俺は一体何にこだわってたんだろう。

それは今まで男として生きてきたこととか、人生が一変してしまうんじゃないかとか、そんな不安から来ていたことかもしれないけれど、それ以上に心配していた事があったからだ。

甲太郎との関係が急に変化してしまって、それを受け入れ切れていなかったから。

こいつは夢中で俺を求めてくるけれど、それが一体どうしてなのか、いまいち確証が持てていなかったから。

でも、今なら思える。

自分でもいっぱいいっぱいのクセして、それでもどうにか俺の負担を減らそうと無理してくれた。

本当はお前が一番我慢し過ぎているのに。

俺の不安や、恐れなんかで、押しつぶすわけにいかない。そんなこと望んでいない。

欲しいというなら全部くれてやる。

性別なんて、どうだっていいじゃないか。それこそ一番つまらないこだわりだ。

晃は喘ぎながらなあと小さく呼びかけた。

「甲太郎はどうして俺を抱いたんだ?やっぱり、女になって急に飛び込んできたから?」

「馬鹿、女になった男なんて世界に五万といるぜ、そんなものでいちいち興奮してたら、俺の性癖が疑われるだろうが」

「違うのか?」

「男と寝る趣味はない、オカマもな、断固お断りだ」

「じゃあ」

「―――いちいち言わせるな」

バカ、と言われてキスをして、晃は微笑む。

甲太郎も笑っていた。

肌の上を滑る掌が、頬に触れて、額をくっつけあう。

秘所をかき混ぜていた指先が引き抜かれて、立ち上がった甲太郎は服を脱ぎ始めた。

晃はしばらく様子を眺めて、それからおもむろに着ていた部屋着を脱ぎ始める。これは、邪魔だ。

生まれたままの姿になって、ベッドの上に寝転ぶと、再び覆いかぶさってきた甲太郎がニヤリと微笑んでいた。

「随分準備がいいじゃないか、どうやら覚悟は本物みたいだな」

「うるさいなあ、男のクセに細かいぞ」

「フフン、じゃあ、こちらも遠慮なく楽しませてもらおうか」

「何言ってんだ、お前、いつだって好き勝手してただろうが」

「これでも結構気を使ってたんだぜ?気付かないお前が悪い」

「ふざけろ」

キスをして、肢体が絡み合う。

胸元に伏せた甲太郎の唇が胸の突起を含んだ。舌先で転がして、ゆっくり味わうように感触を楽しむ。

「あっ、ア」

片手がもう一つの乳房に触れた。

掌で、押し上げるように揉みながら、指先が時折乳首をクニクニと嬲る。

「こ、こうたろ、ン、あッ、アアッ」

両腕が甲太郎の頭を胸元に抱き寄せた。

掌が下肢を探り、肌の感触を楽しむようにしてあちこち撫で回している。

軽く手首を捕まえられて、どうやら胸の愛撫に専念するつもりのようだった。

チュパチュパと吸い付かれて、唾液で突起を濡らされる度、押さえ切れない吐息がとめどなくあふれ出す。

首の下をくすぐる、ゆるいウェイブのかかった髪の毛に、つい笑い声が漏れていた。

「くすぐったい、よ、アッ」

「我慢しろ」

「無理」

頭をぐいと押しのけられて、甲太郎はそのまま起き上がってキスをした。

むず痒い様な居心地の良さに、ついうっとりと口元が弛緩してしまう。

「甲太郎」

「何だ」

「お前、顔がスケベになってる、この変態」

「それはこっちの台詞だ、気持ちよさそうな顔しやがって」

「バカ」

またキスをして、抱きしめられた。

掌が乳房をまさぐる。

そのまま少し抱き起こされたような格好で、胸から腹へ、そしてその下へと指先が移動していく。

秘所はすっかりぬかるんでいて、先端を中に入れようとすると、クチュッと水音が漏れた。

「こんなに濡れてる」

囁いて、耳朶を噛まれた。

晃は甲太郎の腰に片腕を回して、もう片方の腕で首につかまりながら、誰かさんのせいだよと笑って答えた。

 

まだまだ分割