横たえられたベッドの表面は硬く、ひんやりと湿った感触が背中にあたる。

村雨は龍麻の体を大事に、丁寧に下ろしてから服を脱ぎ始めた。

自分もシャツのボタンを外そうとすると、半裸になった彼が甘ったるい笑顔をこちらに向ける。

「センセはいいぜ、俺が脱がしてやるよ」

ズボンを脱いで、ボクサーパンツを脱ぎ捨ててから、全裸の村雨が龍麻の上に馬乗りにのしかかり、片手で器用にボタンを外し始めた。

妙な光景に龍麻は思わず笑い声を洩らしていた。

「おかしいかい?」

チュ、と唇を合わせて、前をはだけたシャツと一緒に学ランも脱がせてから、その下のランニング越しの肌に触れる。

布越しでも判るほど硬く屹立した乳首を口に含んで、しゃぶりついてから離れると丸い染みが出来ていた。

「こっからでも透けて見えてるぜ」

「バカ」

指先ではじいて、舌と唇で念入りに愛撫しながら半降ろしのズボンをズリズリと引き下げていった。

「あッ、むら、さめ」

露になった下半身のあちこちに触れながら、村雨は熱い吐息と共に龍麻に囁きかけた。

「なあ、センセ、名前で呼んでもらえねえかな?」

「え」

「そのほうが雰囲気あるだろ、俺も、なぁ龍麻、名前で呼ぶから」

「祇孔はやっぱり変態だ」

素直な反応に嬉しくてキスを交わす。

ランニングの下に指を這わせて、直に触れた龍麻の体は汗ばんでしっとりとしていた。

そこを掌で撫で回しながら、敏感に反応する部分を丁寧に発掘していく。

鎖骨のくぼみに舌を這わせて、耳元にしゃぶりつくと龍麻は何度も泣き声を上げた。

「ここがいいのか?」

見つけ出した性感帯を執拗に攻め立てて、彼の欲情をあおりつつ自身をも昂ぶらせていく。

指先に触れたこりこりとした感触を揉み解して、大分息が上がってきた所で村雨はフイと体を起こしてベッドから降りてしまった。

「し、祇孔?」

グッタリと横たわったまま、熱に犯された瞳でその後姿を追いかける。

体の中心をドクドクと流れる激しい興奮に深く息を吐き出すと、戻ってきた村雨が再び龍麻の上に乗ってきた。

「女じゃねえし、これないとキツイだろ?」

持ってきた掌サイズの瓶を目の前で振られて、不思議そうな顔をした龍麻を見て感づいた。

(あのバカ、ローションも使ってなかったのか)

乱暴なのか、子供なのか、そのあたりはよくわからなかったが、村雨はニンマリと笑みを滲ませる。

つまりが、そういう体験をしたことが無いという事だ。

本物の快楽を、この体は知らないに違いない。

「龍麻」

柔らかな髪に触れて、そっと撫でると龍麻が目を閉じた。

引き寄せられるようにキスをして、そのまま至近距離で甘く囁く。

「今日はめいっぱい気持ちよくしてやるからな」

あんなヤツとは全然違う、俺のほうがどれくらい良いかってことを全身に覚えさせてやる。

「祇孔」

起き上がって掌にローションを取り、瓶の蓋を閉めてそこら辺に放り出してから、指先に掬い取った液体を龍麻の敏感な部分に擦り込んでいく。

「あ、ひあっ」

ビクンと跳ねた体を体で押さえつけて、片手で後ろを慣らしながら空いている手を龍麻の頬にあてる。

「あ、あ、ああっ」

引き攣れた声を上げて震える様をよく観察しながら、村雨は汗と涙に汚れた顔にいくつもキスを落としていった。

「龍麻、綺麗だ」

「し、こお、う」

目じりの液体は舌先に触れると少し塩辛かった。

もう一本指を付け足して、肉の輪の奥は更に熱く熟れたように滴っていた。そこを探って、感じるポイントを見つけ出して指先で攻め立ててやると、龍麻が艶っぽい声で何度も鳴いた。

「龍麻」

唇を合わせて、引き抜いた指先でそのまま腿を捕まえて、体を起こすと潤んだ瞳がこちらをじっと窺っている。

「入れるぜ」

龍麻は無言で頷いた。

腰を持ち上げると、長い睫毛が静かに伏せられるのが見えた。

「あんた、本当に可愛いな」

すっかり屹立した自身を手で掴み、そのままローションでほぐされた部分にあてがうと眼下の痩身がビクリと震えた。

ぐっと差し込んだ途端、龍麻が悲鳴をあげる。

「あっ、やっ」

まだ幾らか狭いままの肉の奥深く、根元が肌とぶつかるまで挿入すると、放り出されていた両手がベッドの表面を強く握り締めている様子が見えた。

「龍麻、つかまれ」

その手を解いて導くと、首に回された両腕が力いっぱいしがみついてくる。

汗ばむ体を支えて抱き起こすようにして、交わった下肢を村雨はゆっくり前後に動かし始めた。

「あっ、うっ、くうう、あう」

荒い息に混じって、途切れることなく零れ落ちる艶かしい喘ぎ声に瞳を細くして抱きしめる。

「龍麻、龍麻」

名前を呼ぶたび快感が腹の底から突き上げてくるようだ。

肉を突き、触れ合う感触を貪欲に求め、何度も繰り返すキスの合間に律動は激しさを増していった。

「あ、はあっ、あ、あ、ああっ」

途切れぬ声の合間に混ぜて、村雨が何度も耳元で囁く。

「龍麻、龍麻、たつ、ま」

迫り来る絶頂の予感に、龍麻は瞳をギュッと閉じた。

自分を締め付ける筋肉質の腕の感触に、何もかも預けて頭の中が真っ白になっていく。

「し、祇孔っ」

噛みつくように肩口に唇を押し当てて、息が詰まるほどの抱擁と共に粘膜に熱い体液が体内に流れ込んできた。

それとほぼ同時に、擦り合わされる下肢の隙間で張り詰めていた龍麻の先端からぬるついた液が二人の腹を汚す。

「あッ―――う、う」

脱力する体を捕まえたままの村雨がゆっくりと一緒に体を横たえて、自分を攻め立てていた膨大な熱量が体から引き抜かれていくのをぼんやりと感じていた。

求められるままにキスをして、甘くとろけるような全身のけだるさに息を荒げたままの龍麻を、隣に寝そべった村雨が緩んだ視線で見つめる。

骨張った手がおっくう気な動きで髪を撫でて、頬に触れられると何だか可笑しくて笑ってしまった。

 

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