「ほらよ!」
村雨が明かした手札は二枚、スペードのエースとジャックがきっちり揃ったまさしく「BJ」だった。
うめき声を洩らす龍麻の手札は四枚、内容は見事にばらばらで反撃のしようも無い。
「これで3勝1敗、どうやら俺の勝ちみたいだな?先生」
ガックリと肩を落とす龍麻を前に、彼の手札も回収しながら村雨は悠然と笑みを浮かべていた。
「お前、なんでそんなに強運なんだよ」
「へへへ、俺はここ一番って勝負じゃ負け知らずなんだ、運が無かったな、先生」
俯いたままの龍麻をねっとりと眺める。
「さて、泣いても笑っても勝負は勝負だ、約束はきっちり守ってもらうぜ」
龍麻はかなり悔しかったようで、それでもゆるゆると不機嫌に歪んだ顔を上げた。
「解ってるよ」
ぶっきらぼうに答えて、両手をダランと下に降ろす。
大仰なため息が艶やかな唇から零れ落ちた。
「俺に出来る事ならなんでもするさ、約束だからな」
「いい態度だ」
立ち上がった村雨は龍麻の傍らに歩み寄った。
下から様子を伺うように見上げてくる姿が非常にそそられる。黒く澄んだ瞳と、柔らかそうな黒髪、白い肌、赤い唇。
「綺麗だな」
その言葉に彼が反応する前に、村雨は龍麻の唇を奪った。
驚いて、抗おうとする両手をフイと捕まえて、椅子の両脇に封じ込める。
「んっ、んんっ!」
貪るように吸い上げて、必死に逃れようとする体を強引に引き止めたままのキスが互いの唇を濡らした。
生暖かな唾液が大量に流れ込んできて、戻しきれずに龍麻の喉が弱々しく飲み下す。
村雨の荒々しい口付けからようやく開放されたころ、龍麻は半ば放心状態になっていた。
「な、に、すん、だっ」
息を切らして睨みつけると、濡れた唇をなぞりながら村雨が耳元で囁いた。
「何でも言う事聞くって、決まりだろ?」
「まさか、お前の言う事って」
「察しがいいな、先生」
耳朶をぺろりと舐めて、軽く吸い付かれる。龍麻の体がビクリと震えた。
「俺の望みはいつだって一つだ、あんたが欲しい、先生」
「本気か?」
「冗談で男なんか抱かねえよ」
至近距離から視線を結ぶ。
「あんただから抱きたい、今すぐ、ここで」
見つめられた龍麻は頬を染めて顔を背けた。
仕草がたまらなくて、首筋にキスを落としながら、怖がらせないように優しく言葉を選ぶ。
「これは、あんたに出来る事、だろ?」
半分はお伺い立てのつもりだったけれど、龍麻は固まっていた全身の力を抜きながら、深く吐息を落とした。
「わかっ―――た、約束は、約束だから、な」
多分、彼は真面目で律儀だから、約束を果たそうとしているだけなのだろうけれど、あまりにあっけない承諾に余計な事まで考えそうになる。
ひょっとして、龍麻も抱かれることを望んでいたのではないか、と。
(ありえねえよな)
クスリと笑って強く抱きしめると、龍麻が小さく声を洩らした。
「む、村雨」
「龍麻」
学ランの前を外し、内側に手を差し込んでシャツの上から体のラインを確かめるように触れる。
腹、脇腹、背中をさすって、滑らかな感触にうっとりしながら胸元をまさぐると、ため息がこぼれた。
「はあ、あ、あ」
顎の下にもぐりこんで鎖骨に噛み付くと、荒い息の龍麻が髪に鼻先をうずめる。
「先生、いい匂いがするぜ」
「香水なんてつけてない」
笑いつつ腿に手を這わせると、龍麻がまた体をビクリと震わせた。
「服の上からこれじゃ、裸にしたときが楽しみだ」
「バカ野郎」
ホックを外し、ジッパーを下げて内側に手を差し込むと、思いのほか熱く昂ぶっている彼自身に少しだけ驚く。
やはり感度がいい、慣らされているのだろう。
(あいつに、か)
人のよさそうな笑顔が脳裏に浮かんで、沸き起こるどす黒い感情に任せて局部を握ると龍麻の足が跳ね上がった。
「村雨!もっと、て、丁寧に、出来ないのか?」
「悪いな」
全然思いのこもっていない言葉に、龍麻は伸ばした腕で村雨の肩を抱きながら白ランに爪を立てる。
不満げな様子に気付いたらしいヒゲ面が、自嘲気味な笑い声と共に見上げてきた。
「待ちに待ったご馳走が目の前に出されたんだ、俺だってがっつくぜ」
「ご馳走は―――逃げないから、落ち着け」
赤らんだ顔の視線を背ける仕草に、興奮が背筋をゾクゾクと撫上げるようで、取り出した肉茎を掌に包み込むようにして緩やかにしごいていく。
「はぁッ、ん、んん、ん」
唇を噛んで、声を我慢する様子がいじらしい。
首筋に舌を這わせながら頬を伝い、目じりを舐め上げたあとで唇を奪う。
「あふ、う、んん」
ちゅ、ちゅ、と舌を絡ませながら口づけを繰り返すたび、龍麻の腰が反応してガクガクと震えた。
強弱をつけて与えられる快楽に局部が先端から透明な露をにじませている。それを指先ですくい、表面の凹凸に沿って擦り付けると艶やかな喘ぎ声が吐息と共に零れ落ちた。
「まったく、やらしい顔してるぜ、あんた、本当はそんな男だったのか」
いつものストイックで無関心な彼からは想像もつかないような媚態に、胸が震える。
「バカ、な、なに、言ってる」
怒って睨む顔すら艶かしくて、口づけを交わしながら空いている手で体をもっと近くに抱き寄せた。
手の動きを段々早めていくと、龍麻が必死に抱きついてくる。
「あ、あ、ああ―――あああっ」
耳朶を噛み、耳の後ろやこめかみに絶え間なく口付けながら村雨は囁いた。
「いいぜ、いっても」
「あうっ、あああ!」
ビクビクと全身が震えて、握っていた肉茎が顫動を繰り返し、吐き出された精をすかさず村雨が掌で受け止める。絶頂を迎えた龍麻は顔を赤らめて荒い息を繰り返していた。
白濁した液体を全て舐め取り、飲み込んで、その頬に音を立ててキスをする。
「今のあんた、最高に綺麗だ」
緩んだ視線がこちらを向いてニヤリと微笑んだ。
「変態」
結び目を作るようなキスの後、下肢に力の入らなくなった龍麻の体を支えつつ、二人は椅子からベッドへと場所を移した。
※あーもうエロは自分の精神力との戦いでいかんね(苦笑)
もう十二分にお楽しみいただけたと思うけど、これ以上のエロをお望みならこちらへ
「もう終わりでいいや」っていうさっぱりな方はこちらへどーぞ♪